自動車業界の特徴、その魅力と主な職種、将来の展望を交えて解説します。
車好きの方や安定した会社を探している方におすすめの業界です。
自動車業界とは?
自動車業界の出荷額は60兆円と国内出荷額の約2割を占める巨大市場です。また労働者数でも550万人ほどが従事する、まさに日本基幹産業となっています。
引用:日本自動車工業会
製造から販売までの流れ
自動車業界は大きく3つに大別でき、完成車メーカーとサプライヤーと関連サービスがあります。自動車は1台あたりに約3万点もの部品が使われていると言われており、それぞれの分野で専門特化した企業がサプライチェーンを担っています。そのため製造から販売、さらには関連サービスまでの裾野が広いというのも自動車業界の特徴の1つです。またグローバルに展開しているため、世界の中でも日本の完成車メーカーやサプライヤーの存在感は際立っています。
自動車業界の構造
自動車業界のサプライチェーンは完成車メーカーを頂点としたピラミッド構造になっています。1次仕入先をTier1(ティア・ワン)と呼び、2次仕入先をTier2と呼び、段階が大きくなるごとに数字が大きくなっていきます。数多くの企業が車づくりに携わっていて、業界の規模が非常に大きいことが分かります。
自動車業界への転職のメリット・デメリット
景気に左右されづらく、比較的安定している
しっかりと稼ぐ力がある会社も多いため、景気に左右されづらく、安定している傾向にあります。長期的に雇用されることを考えると安心できるポイントです。
給与水準が高い傾向にある
自動車業界は給与やボーナス、退職金などの給与水準が高い傾向にあるのが魅力の1つです。また労働組合が強く、春闘などでベースアップが毎年のように行われるのが通例となっています。
福利厚生などの待遇が良い
有給休暇の奨励や残業の管理がしっかりとなされている会社も多く、働きやすい環境が整っています。車を社割で購入できたり、レンタカーを割引価格で使用できる会社もあるため、車好きには特におすすめです。
グローバルに活躍できるチャンスがある
多くの会社がグローバルに展開しており、海外での活躍のチャンスや海外とのコミュニケーションができる土壌があります。多くの取引先や様々な部署と関わりながら、大きなスケールで働けることも魅力です。
先進的な取り組みや技術革新があるため、新たな知見やスキルアップに繋がりやすい
先進技術や業務プロセスの改善など自動車業界がけん引する取り組みは数多い。自動運転のAI技術やバッテリーの開発などの先端技術やカンバン方式・ジャストインタイムなどの生産方式などの取り組みがあるため、新たな知見やスキルアップに繋げることができます。
競争が激しい
アメリカのテスラや中国のBYDなどの新興EVメーカーの台頭やCASEと言われる技術革新があり、非常に競争の激しい業界です。さらにダイソン、ソニー、APPLEまでも参入すると言われています。
転勤や異動が多い傾向にある
大きな組織で、転勤が多く、異動が多い傾向にあります。異動が多いことはジョブローテーションによるスキルアップという良い面もありますが、転勤は家族のライフスタイルを考えるとデメリットもあります。
押さえておきたいキーワード
- CASE
- MaaS
CASEとは?
CASE(ケース)とは以下の頭文字を取った造語です。
・Connected(コネクティッド)
・Autonomous/Automated(自動化)
・Shared(シェアリング)
・Electric(電動化)
様々な技術の革新により、自動車業界ではこれらが一層進んでいくと言われています。そのためIT業界や電池メーカー、半導体メーカーなど様々な業界からの注目も高く、今後の成長性が期待できます。
MaaSとは?
MaaS(マース)とはMobility as a Serviceの頭文字を取ったものです。
電車、タクシー、バス、ライドシェアなど様々な移動手段をITで結び付けることで便利に効率的に使えるようにするシステムのことです。言い換えると、複数の移動手段を1つのサービスとして提供することで利便性を向上させる枠組み、となります。世界各国で地域活性化や高齢化などの社会課題の解決になると注目を集めており、様々な取り組みがスタートしています。
まとめ
自動車業界は非常に経済規模が大きく、その分だけ求人の募集も多い業界です。給与や待遇も良く、将来性も高いため、安心して働くことができる魅力的な業界です。また世界を股にかけて活躍できたり、新しい技術や考え方を身に着けられるやりがいのある仕事です。しっかりと業界研究と企業研究を行って、合格を勝ち取りましょう。
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